この記事では、現在の需要も交え、Webデザイナーの将来性を解説します。
本当にWebデザイナーは将来性がないのかな?
Webデザイナーとして活躍するにはどうすればいいの?
- 現在の需要は高く、年収も比較的高水準
- AIの普及やライバルの増加が不安要素
- 自己研鑽や情報収集が将来性を高める
Webデザイナーに将来性はあるのか

Webデザイナーの将来性についてはポジティブ・ネガティブそれぞれの意見があり、現段階で簡単に「将来性がある」と言い切ることはできません。そのため、さまざまな側面から冷静に検証していく必要があります。
まずは、Webデザイナーの将来性を判断するために、次の2観点から現状のデータを確認しましょう。
現在の需要
Webデザイナーが安定した生活を送るためには、十分な仕事を獲得するだけの需要が必要です。そこで、仕事を探せる主要なWebサイトにおいて、Webデザイナーの需要を調査しました。結果は次のとおりです。
※2025年3月時点のデータにもとづき記載しています。
いずれのWebサイトでも1,500件を超える求人がヒットしました。会社員としての求人だけでなく、フリーランスや副業向けの求人も豊富です。
これらのデータから、現在のWebデザイナーは依然として需要が高く、Web業界で求められている職業といえます。
現在の年収
Webデザイナーが安定した生活を送るためには、十分な収入が求められます。そこで、Webデザイナーの現在の平均年収を主要なWebサイトで調査しました。結果は次のとおりです。
※2025年3月時点のデータにもとづき記載しています。
国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、日本全体の平均年収は約460万円です。この平均年収と比べると、Webデザイナーの平均年収はやや高水準といえます。
とくにフリーランスの場合、高単価の案件を継続的に受注できれば、会社員よりも高収入を得ることが可能です。その分、自ら案件を獲得・管理する必要があり、会社員と比べてハードルは上がります。
また、個人の能力や勤め先、働き方によっても年収は大きく変わります。しかし、スキルを磨き実績を積めば、Webデザイナーとして生計を立てることは十分可能でしょう。
Webデザイナーの平均年収についてより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

Webデザイナーは「将来性ない」といわれる理由

需要や年収を見ると、Webデザイナーは魅力的な仕事と感じる人も多いでしょう。しかし、なかには「Webデザイナーは将来性がない」「やめとけ」という声もあります。
ここからはWebデザイナーの将来性が不安視される理由を、2つにまとめて紹介します。
理由1:AIの普及で需要の減少が懸念されている
AI(人工知能)の普及により、Webデザイナーの需要減少が懸念されています。近年では、デザイン業務の多くをAIが担えるようになりつつあり、Webデザイナーの仕事に波及する不安が高まっているのです。
とくに、画像の生成能力を持つ「画像生成AI」は脅威となっています。画像生成AIを活用すれば、多くのデザインやイラストを迅速に生成できるため、スピードを重視する現場では採用が拡大しています。
実際のところ、広告物のデザインに画像生成AIを活用する企業も増えてきました。このように、デザイン業務へのAI活用は広がりつつあり、「Webデザイナーの仕事が奪われるのでは」と不安視する声もあります。
理由2:ライバルが増えて稼ぎにくくなっている
Webデザイナーの需要は高いものの、人気が高いために競争率も上昇しています。その結果「ライバルが多すぎる」「稼ぎにくくなった」と感じる人も増えているようです。
厚生労働省「jobtag」によると、Webデザイナーの有効求人倍率は約0.12です(2025年3月時点)。つまり、1つの求人に対して約8人の求職者が競い合っていることを意味します。
Webデザイナーは在宅ワークとの相性が良く、リスキリングや副業を通じて新規参入する人も増えています。結果として人材の供給が増加し、案件の単価が下がりやすくなっているのが現状です。
Webデザイナーが競争を勝ち抜き、稼いでいくためには、ただWebデザインができるだけでは十分とはいえません。常に新しい知識・スキルの習得を図り、市場価値を高めていくことが大切です。
Webデザイナーが「やめとけ」「後悔する」などと言われる理由をより詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。

Webデザイナーに将来性があるといえる3つの背景

Webデザイナーの将来性を不安視する声もありますが、実際には将来性が十分に期待できる職業です。ここでは、Webデザイナーに将来性があるといえる3つの背景について解説します。
背景1:Webデザイン需要の拡大が見込まれる
Webデザイナーの将来性が期待できる理由の1つ目は、Webデザイン需要の拡大が見込まれるためです。具体的には、Webデザイナーと関わりが深いWebビジネスの市場規模が拡大していることは追い風といえます。
経済産業省「令和5年度 電子商取引に関する市場調査報告書」によると、BtoC-EC(消費者向け電子商取引)の市場規模は、2014年頃からほぼ右肩上がりです。今後も市場規模の拡大が期待できるでしょう。
つまり、Web上での取引が増加し、Webビジネスの重要性が高まっています。この傾向は、インターネット広告費の増加としても顕著に現れています。
「電通報」によると、日本のインターネット広告費は2020年から右肩上がりで増加し、2024年には3.6兆円を突破しました。つまり、日本企業がWeb上での広告に多くのコストを投じるようになっています。

Webデザイナーは、ECサイトやWeb広告、販促ページを作成するうえで不可欠な存在です。つまり、Webビジネスの発展にともない、Webデザイナーの仕事も増えていくでしょう。
背景2:AIに代替できない人材が求められている
Webデザイナーの将来性が期待できる理由の2つ目は、AIに代替できない人材が求められているためです。WebデザイナーにとってAIの普及は脅威ですが、AIの限界やリスクも顕在化してきました。
AIの進歩は著しいものの、顧客のニーズやブランドの個性を深く理解し、正確に反映できるプロのWebデザイナーには及びません。AIは、あくまで既存のデータにもとづいてデザインを生成するためです。
また、AIによって生成されたデザインによる著作権侵害も問題となっています。コストを抑えようとした結果、訴訟などのリスク増大や、ブランドイメージ低下による売上減少を招くのでは本末転倒です。
このように、AIの限界やリスクが浮き彫りとなり、AIでは代替できない人材の重要性が再認識されています。むしろ、AIに代替できない独創性や調整力を持つWebデザイナーの需要は、今後さらに高まるでしょう。
背景3:優秀なWebデザイナーが不足している
Webデザイナーの将来性が期待できる理由の3つ目は、優秀なWebデザイナー不足です。
株式会社日本デザインのアンケート調査では、Webデザイナーを採用している経営者の約8割が「優秀なWebデザイナーの採用に苦戦している」と回答。つまり、経営者が求めるレベルのWebデザイナーは足りていないのです。
優秀なWebデザイナーが不足している背景には、Webデザイナーの人材不足だけでなく、求められるスキルレベルの上昇もあります。
年代 | 求められるスキル |
---|---|
2000年代後半 | ・PhotoshopやIllustratorでのワイヤー作成や画像編集 |
2010年代前半 | ・基本的なWebサイトを制作するためのコーディングスキル ・UI/UXデザインの知識・スキル など |
現在 | ・Webデザインの企画・設計スキル ・高度なWebデザインを制作するプログラミングスキル ・AI活用スキル など |
昨今では、Webデザインの企画・設計やコーディングなど、幅広いスキルがWebデザイナーに求められます。年々必要なスキルが増加しており、必要なスキルを保有する人材を確保しにくいのです。
言い換えれば、求められるスキルをしっかり身につけることで、将来性の高いWebデザイナーになれるでしょう。そのため、これからWebデザイナーを目指す人は、確かなスキルを身につけることが大切です。
将来性のあるWebデザイナーになるためにできること

これからWebデザイナーを目指す人が将来性を高めるためには、正しい取り組み方を知ることが重要です。ここからは、将来性のあるWebデザイナーになるためにできることを、4つにまとめて紹介します。
積極的に新しいスキルを習得する
将来性のあるWebデザイナーになるためには、常に新しいスキルや情報を学び続ける姿勢が欠かせません。Webデザイナーに求められるスキルは多様化しており、現状維持だけでは時代の流れについていけなくなります。
とくに、AIの発展によって、ある程度のデザイン業務は自動化・効率化が予想されます。そのため、純粋なデザインスキル以外の能力を1つでも多く身につけることが大切です。たとえば、
- プログラミングスキル
- UI/UXを意識したWebデザインスキル
- Webマーケティングスキル
- マネジメントスキル
- SEO知識
- AIツールの活用スキル
- 営業・提案スキル など
といった知識・スキルの習得を図ることをおすすめします。複数のスキルがあれば、Webデザイナーの仕事内容が変わったとしても、新たな活躍の場を見つけられるでしょう。
とくに、プログラミングスキルの習得はおすすめです。HTML/CSSやJavaScriptといった言語を使いこなせると、WebデザインだけでなくWebサイトのプログラム作成まで広範囲にカバーできます。
仮にWebデザイナーからITエンジニアに転身したくなった場合でも、プログラミングスキルは活かせます。将来を見据えるのであれば、早めに習得すべきスキルです。
最新のトレンド・ニーズを把握する
将来性のあるWebデザイナーになるためには、最新のトレンドや市場のニーズを常に把握することが大切です。IT・Web業界の激しい変化に適応し、常に知識をアップデートできる人は、長く活躍できるでしょう。
トレンドやニーズを把握するためには、情報収集を習慣化することが不可欠です。具体的には、次のような情報収集の方法があります。これからWebデザイナーを目指す人は、日々の生活に取り入れてみてください。
方法 | 具体例 |
---|---|
デザイン系のニュースサイトやブログをチェックする | coliss、ランディングページ集めました。 |
SNSでWebデザイナーやWebデザイン企業の動向を追う | デザイン研究所 (デザ研)、岩松翔太 |
Webデザイナー向けの勉強会やイベントに参加する | こくちーずプロ、TECH PLAY |
継続的に情報収集を行い、時代の変化に適応できるWebデザイナーは、企業からも高く評価されます。変化を恐れず、新しい知識を積極的に取り入れることが、将来性のあるWebデザイナーへの第一歩となるでしょう。
なお、次の記事ではWebデザイナー志望者の情報収集に役立つブログやサービスを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。


AIに代替されない強みを持つ
AIが普及してもWebデザイナーとして活躍し続けるために、AIに代替されない強みを持ちましょう。そのためには、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルなど、ヒューマンスキルの習得が重要です。
AIが進化してもチームメンバーと対面での連携や調整、顧客とのやり取りを通した潜在ニーズの把握、といった業務は代替できません。こうした人間的な業務をこなせるスキルを養えば、AIとの差別化を図れるでしょう。
また、チームや組織をまとめられるマネジメントスキルがあれば、キャリアアップへの道も開けます。長期的にWebデザイナーとして活躍したい人は、現職での経験を通して人間的なスキルを磨いておきましょう。
AIツールの活用スキルを身につける
将来性の高いWebデザイナーになるためには、ChatGPTといったAIツールの活用スキルを身につけましょう。AIツールを使いこなせるようになれば、アウトプットを高速化し、生産性を向上させることが可能です。
前述のとおり、ある程度のデザイン業務はAIによる自動化・効率化が予想されます。裏を返せば、AIにより効率的にデザイン業務を進められる人材になれば、AI時代をリードできる立場になれるでしょう。
AIツールの活用スキルを身につけるためには、本などでコツやノウハウを学び、積極的に試すことが重要です。独学でも習得は可能ですが、挫折に不安がある人はスクールの活用も検討しましょう。
次の記事では、生成AIの活用方法を学べるおすすめスクールを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

また、AIツールとひと言でいっても多くの種類があります。Webデザインに役立つおすすめAIツールを知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

挫折なく将来性のあるWebデザイナーを目指すなら
挫折なく将来性のあるWebデザイナーを目指したい人には、Webデザインスクールの受講がおすすめです。
Webデザインに精通した講師からサポートを受けられるスクールを受講すれば、独学に比べて挫折しにくいです。不明点があってもレッスンやチャットなどで相談できるため、スムーズに学習を進められます。
また、Webデザインに強いプログラミングスクールを選べば、HTML/CSSやJavaScriptなどのプログラミングスキルも習得可能です。Webデザイン制作にとどまらない、より市場価値の高いWebデザイナーを目指せるでしょう。
なお、数あるスクールのなかでも挫折なくWebデザイナーを目指すなら「侍エンジニア」がおすすめです。
分割料金 | 一括料金 | 受講期間 |
---|---|---|
4,098円~ | 16万5,000円~ | 1ヶ月~ |
- 転職・副業・独立などの目的に特化したコースあり
- 累計指導実績4万5,000名以上
- 給付金活用で受講料が最大80%OFF
侍エンジニアでは、現役Webデザイナーと学習コーチが2名体制で学習をサポートするため、途中で挫折する心配はありません。「受講生の学習完了率98%」という実績からも、挫折しづらい環境がうかがえます。
学習と金銭面をどちらもサポートしてくれる侍エンジニアなら、未経験からでも安心してWebデザイナーを目指せますよ。
まとめ
今回は、Webデザイナーの将来性について解説しました。
AIやWebデザインツールの台頭で、Webデザイナーの将来性を不安視する意見もあります。しかし、Webデザイン需要の拡大、AIに代替できない優秀な人材の不足を考えると今後も将来性が期待できる職業です。
また、長く活躍できるWebデザイナーを目指すなら、WebデザインスキルだけでなくプログラミングやAIツールの活用スキルなどを身につけるべきです。
Webデザイナーへの期待感が高まった人は、スクールも上手く活用しながらキャリアチェンジを目指してください。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
参考:SAMURAIが「DX認定取得事業者」に選定されました
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
この記事の監修者
株式会社SAMURAI
情報系の大学を卒業後、HR関連のサービスを複数展開する事業会社に勤務。コミュニケーションデザイン領域のデザイナーを4年ほど務め、LPやバナーデザインの制作、コーディング等を経験。現在は株式会社SAMURAIでWebデザイナーとして、バナーデザイン制作やLP改善、Instagram運用等に従事。