リーマンショックを機に山梨で起業！エンジニアをサポートするNPO法人も設立した話

IT社長を目指したいけど、本当に可能？
IT業界の道に進むと、どんなものが得られるの？

このような悩みの答えになるような経験をされた、岩間さんにインタビューを行いました！

岩間さんがIT業界で会社を設立した経緯や、現在の業務内容など様々な内容を伺ったので、これからITキャリアを目指したい人はぜひ参考にしてください。

肩書	株式会社ガンズシステム 代表取締役 NPO法人New Way Joint 代表
雇用形態	経営者
現在の業務内容	・業務効率化システムの受託開発 ・ITエンジニアのサポートイベント

なお、岩間さんが会社を設立するまでの経緯は、次の動画でも紹介しているので是非ご覧ください。

きっかけは小学生時代に触れたファミコン！リーマンショックを機に独立した

ーーープログラミング・ITに触れたきっかけは何でしたか？

岩間：私は小学生の頃までサッカーひと筋という少年でしたが、ファミコンに出会いゲームの面白さに目覚めて、「こういうものを作りたい」と思うようになりました。

そこからプログラミングに興味を持ち、本当はゲーム会社に勤めたかったのですが、新卒でシステム会社に入ることになったんです。

ーーーその後、どのように今のキャリアを選んでいったのでしょうか？

岩間：システム会社に入って、意外とすぐにお客様と1対1で仕事をさせてもらえるようになり、要件を聞いて形にする仕事をしてきました。そのため、プログラミングだけでなく全体のマネジメントもある程度できるようになっていたんですよね。

お客様に喜んでもらえるのは嬉しいですし、最初は会社をやめるなんて考えていませんでしたが、システムをゼロから作る部署がリーマンショックによりなくなってしまったんです。その後は、業務において大手のパッケージを使用するようになったのですが、パッケージを扱うようになると自分の作りたいものは作れません。

さらに、大手のパッケージを扱うようになったことで全国出張が増え、体調が悪くなり太ったり頭がハゲてきたりして「これはヤバい」と思うようになりました。

また、パッケージだけで仕事をしていると新しい技術を磨くことができないため、パッケージがなくなった途端に何もできなくなるのが怖かったんですよ。もしも会社が潰れたりしたら路頭に迷うことになりますからね。

そうした経緯から自分の会社を立ち上げるために、最初はフリーランスとして独立することにしました。

ーーー独立すると宣言したとき、周囲の反応はどうでしたか？

岩間：私が独立したいと周囲に伝えたとき、会社の同僚からは「そのなのうまくいかないよ」と言われたのを覚えています。いま思い返せば、私にいてもらわないと困るという状況だったのかもしれませんね。

家族としては妻がいるのですが、独立するときは特に止められませんでした。そのままだと私が出張続きで体調を崩すなどいい部分は少なかったですし、妻のお腹に娘がいてもうすぐ生まれるという時に、私が出張から帰れないなど近くにいないのが彼女にとってストレスだったそうです。

なので、特に私の独立に対して心配するというわけではなく、育児にあたり自分の近くにいてほしいという感じでしたね。

家族からは反対なし！？独立して娘の成長を間近で見られた

ーーー現在の活躍に至るまでに、苦労したことはありますか？

岩間：金銭面の苦労は少しあったと思います。

ただ、前の会社でしていた仕事を引き継ぐ形だったので、様々なつながりを大事にしたかなという感じですね。始めは自分の仕事を知っている人が少なかったので、紹介してもらいつつ信頼を築くなど丁寧に仕事をしているうちに広がっていきました。

いま私の会社では雇用をしているので、一人でこなしていた仕事を皆でできるようにするオペレーションを作る必要があり、むしろ今のほうが苦労していますね。

ーーーIT社長になったことで、それまでと変化したことはありますか？

岩間：会社に勤めていると、どうしても決まった時間で行動することになります。例えば、朝8時に家を出て、夜遅くまで仕事をして帰れないこともありました。それに対して、今は自由な時間で仕事できるのが大きいですね。

フリーランスとして独立してからの時期と育児の時期がぶつかったことで、小さな娘の成長を近くで見れたのは自分にとって良かったです。

あとは、妻に聞かないとわかりませんが、私が前職の頃より家にいられるようになったことで、少し育児負担が減っていたかもしれませんね。

エンジニアをサポートするNPO法人も設立！ITスキルは世界を作る

ーーー現在の詳しい業務内容を教えてください。

岩間：いま私は「株式会社ガンズシステム」と「NPO法人New Way Joint」とITエンジニアをサポートする仕事をしています。

株式会社ガンズシステムは業務効率化がメイン事業であり、皆さんの時間を作るため作業効率の部分に役立つシステムを開発します。

私は、自分も取引先の社員も「みんな夜7時に家族と食卓を囲める」という会社にしたいと考えており、そうした時間を作るためのシステムを作ろうと心がけているんです。業務効率化こそがシステムが存在する本当の意味だと考えているので、そこは私たちがサポートするべき部分だと思います。

そして、もう一つはNPO法人の仕事ですね。NPO法人自体はコロナ前に設立しましたが、当初はエンジニアを育てる法人だったんです。全員が定期的に集まり、プログラミングを教える部分と、実際の仕事を与えて実践経験を積ませる部分とをメインにしていました。

しかし、コロナ禍で人が集まれなくなって活動が中断しており、今年(2023年)ようやくコロナ禍が明けたので再び動き出そうとしています。今後はエンジニアの心と体を癒せる場所を作ろうと考えており、「山梨シリコンバレープロジェクト」というものをクラウドファンディングを用いて立ち上げました。

2024年1月に山梨県の市川三郷町でイベントをしますが、メンタルや食事でのサポートを体験してもらう形で考えています。こうしたイベントを定期的に行い、エンジニアの手助けをしていきたいです。

ーーー現在行っている仕事のやりがいは何ですか？

岩間：おそらく世間の皆さんも「パソコンを使えば仕事が楽になる」というのは理解しているものの、どうしていいかわからないという部分があると思います。確かにどんどん新しい技術が増えるので、ついていくだけでも大変ですよね。

例えば、私は農家をサポートしているのですが、農家が本当にやるべきなのはITについて勉強することではありません。やはり美味しいもの作るなど、キチンと本来やるべきことがあると思うんです。

でも、今後はITも必ず取り入れていかないといけないので、そこのサポートこそ私たちエンジニアがやっていく部分だと思います。私たちがIT部分を万全にすることで、お客様が本来の仕事に注力できるわけです。

実際に、「仕事が楽になったよ」「家族との時間が作れて関係性が良くなったよ」など、喜びの声を聞くと嬉しいですね。

ーーー岩間さんの座右の銘は何ですか？

岩間：「うちはうち、よそはよそ」ですかね。結局のところ、物事のやり方というのは人それぞれで、考え方も人それぞれだと思うんです。特に私の場合はシステム会社なので、問題に対する解決方法は無数にあります。

例えば、会社のDX化を進める時にはパソコンでやるべきこともあれば、人の手でやるほうが早いこともあるんです。私は世の中で当たり前とされている流れに乗るのは嫌だというタイプなので、DXとはこう進めないといけないという風に凝り固まって進めなくていいと考えています。

お客様の考えや要望を全て鵜呑みにするのも良くないので、時にはプロとして「よそはよそ。その目的なら御社はこうしたほうがいい」と提案しなければならないこともありますね。

ーーー岩間さんにとって「ITスキル」とは何でしょうか？

岩間：ITスキルは、世界を作るスキルだと思います。

プログラミングは電気の世界でのみ存在するものであり、ハードと違い何かモノができるわけではありませんが、現実と違う所に新たな世界を作れます。ゼロからモノを作り、自分のルールで組み替えればどんどん違うものができるのが面白いです。

ないものを作れるというのは、まるでドラえもんの世界みたいでとても楽しいことだと考えています。

今後は家族との時間を作る会社に！夢がある技術なので踏み込んでみよう

ーーー今後のキャリアビジョンを教えてください。

岩間：先ほどお話したように、やはり「家族との時間を作り出せる会社にしていきたい」というのが私のキャリアビジョンだと考えています。

少なくとも私や私の会社に関わる人は幸せにしたいのですが、そのためにできるのはわかりやすく使いやすいシステムを作ることです。そうすることで、これから1人でも多くの人に幸せを提供できればいいなと思います。

ーーーこれからITキャリアを志す人が、今やっておくべき行動は何でしょうか？

岩間：まずITスキルはどんどん新しくなっていくので、学習を続けていくのは当たり前だし、それが好きでないといけないと思います。

あとは、人と関わるコミュニケーションスキルは鍛えておいたほうがいいですね。確かに、楽しくモノづくりができるのはエンジニアのいい部分ではありますが、一方で仕事として成果物を通じて「誰かを助ける」という話になります。

なので、お客の話を聞いて何を求めているのか正確に把握するなど、心の部分を成熟させておく必要があると思います。

ーーーこれからITキャリアを歩みたい人に、伝えたいメッセージがあればお願いします。

岩間：IT業界は本当に面白い世界です。自分のスキルが上がれば上がるほど、仕事を通じて助けられる人も増えると思います。なので、自分はパソコンやプログラミングが好きかもしれないという人は、まず踏み込んでいいはずです。

その中で色んなスキルを持つ人に出会うので、一緒にサービスを作るのもアリだし、世の中を変えるために仕組みを作るのもアリだし、夢がある技術なので間違いなく身につけて損はありません。皆さんこれから頑張ってほしいです！